子どもへの読み聞かせで、思いがけず教育について考えさせられる絵本に出会いました。
それが『バーバパパのがっこう』です。
子どもが再読を何度もせがむので、何回も読んでいるうちに「学校とは何のためにあるのだろう」「AI時代の教育はどう変わるのだろう」という問いが浮かびました。それらについて今回は触れたいと思います。
私は教育評論家でも教育者でもなく、一人の親にすぎません。だからこそ的外れな部分もあるかもしれませんが、一人の親としての率直な意見を書きました。子育て中の方はもちろん、教育に関心のある方にも読んでいただけたら幸いです。
1. 『バーバパパのがっこう』のあらすじ
バーバパパたちが学校を訪れると、子どもたちは授業中にもかかわらず、席を立って遊んでいます。
先生は困り果てていますが、バーバパパたちは子どもたちを叱りません。代わりに、一人ひとりをじっくり観察します。
すると、音楽に夢中になっている子、絵を描くことが好きな子、体を動かすことが得意な子 など、それぞれ違った興味や得意なことが見えてきます。そして、その子の個性を生かす学びを実現するため、なんとバーバパパたちは学校を作ってしまいます。
2. この絵本が教えてくれたこと
2-1. 「ダメな子」と決めつけない
この絵本で一番印象に残ったのは、バーバパパたちが「座っていられない子は、ダメな子」と決めつけなかったことです。
授業中に遊んでいる子どもたちを見れば、多くの大人は「落ち着きがない」「授業を聞けない子」と考える人が多いと思います。実際、作中の先生もそう感じて困り果てていました。
しかしバーバパパたちは、まず「この子は何をしているのだろう」と観察することから始めます。その結果、問題があるように見えた子どもたちは、実はそれぞれ異なった興味や関心、才能を持っていることが分かりました。
子どもたちに原因があると決めつけるのではなく、その子たちの良さを十分に見つけられていなかった教育や環境にも改善の余地があったのだと思いました。
2-2. 学校の本来の「目的」は何か?
また、学校の目的についても改めて考えてみました。
学校へ行くこと、授業を受けること、テストで点を取ること。私たちは、これらを「目的」と考えてしまいがちです。しかし、本来はすべて「手段」であって、大切なことは別のところにあるのではと考えました。
学校は本来、学ぶ楽しさを知る場所であったり、自分が何を好きなのかを見つける場所であったり、様々な経験を通して、自分の得意なことを知る場所であったりするべきではないかと思います。バーバパパたちは、一人ひとりの個性に合った学びを通して、学校の目的を示してくれたのだと思います。
3. AI時代の教育の在り方を考える
学校の目的をさらに拡張し、教育の在り方は今後どうなっていくのかについても考えてみました。
3-1. 知識と思考力、両方を育てる教育へ
検索エンジンやインターネットの普及によって、知りたいことはすぐに調べられる時代になりました。そしてAIの登場により、それらがさらに進み、集めた情報を整理し、答えの形にまとめるところまで助けてくれるようになりました。
それでも、今の学校教育の多くは、まだ「どれだけ知識を覚えているか」を測ることに重きを置いた仕組みのままです。もちろん知識は大切であり、蔑ろにすべきではありません。
ただ、それと並んで大切になってくるのが、自分で問いを立てる力、集めた情報を判断する力、行動に移す力ではないでしょうか。知識という土台があってこそ、自分で考え、こうした力を養えると思います。この知識と思考力の2つを両輪として育てていくことが、今後ますます重要になると思います。
3-2. 一括教育から、一人ひとりに合わせた教育へ
これまでは、一人の先生が何十人もの子どもを教える必要がありました。だからこそ、一括で同じ内容を同じペースで教える教育は合理的でした。
しかしAIの支援により、一人ひとりの興味や理解度に合わせたテーラーメイドの教育も可能になるはずです。
まずは、その子が得意なことや好きなことを伸ばす。その上で、社会で生きていくために必要な知識や技能、考え方を学ぶ。
人間が社会に出るまでには20年近い時間があります。最初から全員を同じ型にはめるより、一人ひとりの強みを育てる時間があった方が、自信を持って活躍できる人材が育つのではないか、そんな風に思います。
3-3. それでも、国語と算数は欠かせない
AIを正しく使いこなすためには、自分の中に一定の知識がなければなりません。知識がなければ、AIが出した答えが正しいのか、誤っているのか(ハルシネーションなのか)、そもそも判断することができないからです。だからこそ私は、知識を軽視して良いとは思いません。
ただ、「思考力」を育てる土台としての国語・算数は、AI時代だからこそ、重要性が高まると感じています。
へと繋がります。
AIを使いこなすためにも、最後は人間自身が考え、判断する力が欠かせません。その土台となるのが、国語と算数なのです。
4. 親として、今日からできる2つのこと
教育制度を変えることは、私にはできません。専門家でもないし、そういう仕事に携わっているわけでもありません。しかし、親としてできることはあります。
一つ目は、子どもをよく観察することです。
子どもたちが、何に夢中になるのか、どんなときに目を輝かせるのか、何に集中するか、バーバパパがそうしたように、まずは子どもたちのことをより深く知ることから始めたいと思います。
二つ目は、できるだけ多くの機会を与えることです。
子どもは、やってみなければ自分の好きなことも、得意なことも分かりません。だからこそ、たくさんの本に触れさせたり、パズルやブロックなどで論理的に考える遊びをさせたり、様々な体験をさせてあげたりと、そういった機会をできるだけ用意してあげたいです。
その中で子ども自身が「これが好きだ」「もっとやってみたい」と思えるものに出会えれば、それが将来の大きな強みになると信じています。
まとめ
AIの発達によって、教育や学校の形は変わっていくかもしれません。しかし、教え、育て、一人ひとりの可能性を伸ばすという教育の本質は、これからも変わらないと思います。
バーバパパが子どもたちを一人ひとり観察したように、私たち大人も目の前の子どもたち一人ひとりと向き合うことが大切なのだと思います。
『バーバパパのがっこう』は、子ども向けの絵本でありながら、教育の原点を思い出させてくれる一冊でした。育休中の子育てに専念している今だからこそ、心に残る一冊となりました。



コメント