【Power BI 入門編】事業別の売上分析をしてみよう

Power BI

Power BIを使った「予算と実績の見える化シリーズ第3回。今回は、事業別に予算と実績を比較し、どの事業がどのように業績に貢献しているかを可視化してみます。

この記事でできるようになること
  • ピボット解除(アンピボット)
  • 実績と予算のデータ結合(マージ)
  • スモールマルチプルを使った事業別比較

仮想ケース

前回、累積の予実比較を報告したところ、課長からこんなフィードバックがありました。

課長
課長

どの事業が売り上げに貢献していたのかも見てみたいな。次は事業別に分析してみよう!

処理が少しずつ複雑になってきましたが、こうした要望にPowerBIの機能が真価を発揮します。では、早速始めましょう。

過去記事はこちらから。是非ご覧ください!

データの準備

この記事では、以下のようなフォーマットで予算と実績のデータを掲載します。表をコピーしてExcelに貼り付け、それぞれのシート名を「予算」「実績」と設定してください。

予算

エネルギー事業家電事業産業機械事業自動車部品事業
2024年4月25,30031,50039,70048,000
5月27,50032,80041,20051,000
6月26,80033,20042,10049,800
7月28,30034,60043,90053,500
8月25,90033,40040,50047,200
9月26,20031,90039,30050,800
10月28,90035,10042,70052,900
11月29,70034,90044,10054,400
12月27,20032,40041,20048,500
2025年1月26,70033,10040,40051,600
2月25,50031,70038,80049,200
3月26,10033,80039,60050,700

実績

エネルギー事業家電事業産業機械事業自動車部品事業
2024年4月25,40030,80038,30047,200
5月27,50031,50040,00049,700
6月26,90032,30040,90048,200
7月27,70033,50043,10052,300
8月22,00028,00039,00055,000
9月20,00050,00042,00063,000
10月16,00058,00046,00072,000
11月5,00073,00045,00060,000
12月10,00038,00043,00050,000
2025年1月30,00042,00015,00062,000
2月40,00055,00020,00080,000
3月35,00034,00015,00080,000

データの読み込み

  • Power BIで「データの取得」→「Excelブック
  • 実績」「予算」両方のシートにチェックを入れて「データの変換
  • Power Queryエディターが開いたら、「変更された型」のステップを削除

実績データの整形

Step1「年」列の補完と年月列の作成

  • 」列を選択 →「フィル」の▼をクリック→「下へ
  • 」と「」列を選択 → 「列のマージ」 → 区切り記号なし」 → 新しい列名年月
  • 作成した「年月」列を日付データ型に変換

Step2:アンピボットの実行

  • 4つの事業(エネルギー事業, 家電事業…)を選択 → 「列のピボット解除
  • 属性」列を「事業」に、「」列を「実績(千円)」に変更

予算データの整形

方法1

2.実績データの整形と同じ手順で整形

方法2

Mコードをコピペして時短【中級レベル】

  • Power Query 上で「実績」クエリの「詳細エディター」から、「下方向へコピー」以降のMコードをコピー
  • 予算」クエリに切り替え、「詳細エディター」を開き、「昇格されたヘッダー数」の次に貼り付け
  • 一番右の列名を「予算(千円)」に変更

💡 同じ処理を別のクエリに適用したいときは、Mコードのコピペで整形効率が大幅アップします!

実績と予算の結合(マージ)

  • Power Query上で「クエリのマージ」→「新規としてクエリをマージ
  • 実績と予算の「」「」「事業」列をそれぞれ順にShiftを押しながら選択
  • 結合の種類は「左外部結合」を選択
  • マージ後、「予算」列の展開マークをクリック → 「予算(千円)」のみにチェック → 「元の列名をプレフィックスとして使用します」のチェックを外し「OK

可視化

  • 実績予算累積を作成(第2回(リンクはこちら)と同様、クイックメジャーを使用)
  • 折れ線グラフで単月比較・累積比較を作成
  • スモールマルチプル機能で「事業」ごとにグラフを分割して比較

この流れで、月次の部門別予算 vs 実績が可視化されます。

比較例

まとめ

今回、Power BIのスモールマルチプルを活用し、単月および累積の事業別の比較をおこないました。事業数が多くても、グラフを自動で分割・並列表示できるのがPower Biの強みです。

課長
課長

なるほど。事業別の比較により、家電事業と自動車部品事業の躍進が全社予算超過の要因だとわかったね。ところで、グラフの書式設定ってどうやるんだっけ?。課員への教育も兼ねて、今度説明会を開いてくれない?

ということで、次回はブレイクタイム「Power BIグラフの書式設定」についてお届けします。Excelとは異なるので少し最初は戸惑う方も多いかと思いますが、よく使う項目を中心にお伝えしていきます。お楽しみに!

コメント

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