本シリーズではPower BIを使って、予算と実績の管理を効率化する方法を段階的に学びます。今回はその第1回目として、Power BIの基本操作を使った「単月ごとの予算と実績の可視化」を解説します。初心者でも迷わず進められる内容ですので、ご安心ください!
- Power BIにデータを直接入力する方法を理解する
- Power Queryでのデータの整形の基本を学ぶ
- Power BIで予算と実績をグラフ化し、視覚的に比較する
仮想ケース
課長から以下のメールが届きました。

今年度から予算管理会議で使う資料を一元管理するため、DX推進の一環としてPower BIで可視化してほしい
Excelでのグラフ化に慣れている読者の皆さんなら、「Excelでもできるのでは?」と思うかもしれません。しかし、Power BIを使うことで自動更新やダッシュボード化ができ、業務の効率化につながります。スキルアップの良い機会にもなるので、早速取り掛かってみましょう!
データセット
年月 | 売上予算合計 (千円) | 売上実績合計 (千円) |
---|---|---|
2024-04 | 141,700 | 144,500 |
2024-05 | 148,700 | 152,500 |
2024-06 | 148,300 | 151,900 |
2024-07 | 156,600 | 160,300 |
2024-08 | 144,000 | 147,000 |
2024-09 | 175,000 | 148,200 |
2024-10 | 192,000 | 159,600 |
2024-11 | 183,000 | 163,100 |
2024-12 | 141,000 | 149,300 |
2025-01 | 149,000 | 151,800 |
2025-02 | 195,000 | 145,200 |
2025-03 | 164,000 | 150,200 |
データの取り込み
今回はデータがメールに直接貼られているため、手入力で対応します。Power BIを立ち上げ、メールで送られてきたデータを取り込んでいきます。
- 「ホーム」タブから「データの入力」をクリック
- 「テーブルの作成」画面で、メールのデータをコピー&ペースト
- 「読み込み」をクリックし、元の画面に戻る
- 「データ」ビューに『売上データ』が追加されたことを確認

データの整形
視覚化の前に、取り込んだデータを整形します。
- 『売上データ』を右クリックし「クエリの編集」を選択
- Power Queryエディタで「変換」タブの「1行目をヘッダーとして使用」をクリック
- 項目名(『月』『売上予算合計』など)が正しくヘッダーとして設定されたことを確認
⚠注意: データ型が自動変換されない場合は、各列を手動で設定してください。 - 右上「×」をクリックし、「今すぐ変更を適用しますか?」と表示されたら「はい」を選択
整形が完了したら、元の画面で『売上データ』が正しく表示されていることを確認してください。

データの確認
データが正しく取り込まれたかを確認します。
- 「視覚化」タブの「テーブル」を選択
- 「視覚化」タブの「列」に『月』『売上予算合計』『売上実績合計』をドラッグ&ドロップ
- 「テーブル上のデータ」が「元のメールのデータ」と一致していることを確認

グラフ化
Power BIの強みを活かして、予算と実績を一目で把握できるグラフを作成します。
- 「視覚化」タブの「折れ線グラフおよび集合縦棒グラフ」を選択
- 「視覚化」タブの「X軸」に『月』をドラッグ&ドロップし、『四半期』や『日』は削除
- 「視覚化」タブの「列のY軸」に『売上実績合計』をドラッグ&ドロップ
- 「視覚化」タブの「線のY軸」に『売上予算合計』をドラッグ&ドロップ
- 適宜サイズや色を調整してグラフが完成

まとめ
今回、Power BIを使って単月ごとの予算と実績をグラフ化しました。データを視覚的に整理し、予算と実績の差異を一目で把握できるようになりました。

なるほど、問題なくグラフ化できたね。でも、これだけだとPower BIのメリットは感じにくいなぁ。これって、年度を通した累積額の表示もできる?
ということで、次回は「年間の累積データの可視化」に挑戦します。売上の進捗を一目で把握できる「累積グラフ」を作成し、会議での意思決定をサポートします。お楽しみに!
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